奈良。
2004年11月3日毎年この時期になると、2〜3泊ぐらいで、橿原〜山の辺周辺の写真撮影と、正倉院展の見学をしてきます。
今年は、時間が取れなかったのと、痛めた左足が治ってないので、30〜31日の1泊(実質1.5日)で、正倉院展と奈良公園周辺の撮影となりました。
・正倉院展
正倉院には、数多くの宝物だけでなく、儀式具、装束、食器、家具、楽器、文書、武器、薬などが納められていて、それが記録付きで残っているところに、世界的にも他に類を見ない歴史的価値を持つわけです。
そして、あまりにも数が多い(そして展示室が狭い)ので、正倉院展では、そのごく一部が出陳されるかたちになります。
そのため、毎年何かしらテーマを持たせているようで、楽器が多い年もあれば、面が多い年もあったりするのですが、今年は偏り無く出陳されていたように思いました。
と、偉そうに書いてますけど、自分、天平時代は全くの専門外で、純粋に工芸品、美術品として美しいものに目が行きます。
そんな私の視点で、印象に残ったものを・・・
鳥獣花背方鏡(ちょうじゅうかはいのほうきょう)
鏡といえば、円形のものを多く目にするんですが、正方形の鏡は初めて見ました。
楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめらでんそうのびわ)
琵琶は、毎年出陳されるんですが、いつも思うのは、装飾のすばらしさ。
今年のものは、捍撥(かんぱち:ばち受け)部分の絵よりも、槽全体に施された螺鈿がきれいでした。
磁鼓(じこ)
陶製のつづみは、初めて見ました。
三彩の陶製で、大きくはありませんが、ちょっと重そうです。
螺鈿槽箜篌(らでんそうのくご)
小型のハープ。
漆塗りに金泥、螺鈿、象嵌と技巧の限りを尽くしたもののようですが、状態があまり良くありません。
復元模造があるのだから、並べて展示して欲しかったです。
その方が、専門外の人間には解り易かったのではないでしょうか。
革帯
漆塗りの皮製のベルト。
形は、現代のものと変わりはありませんが、面白いのは金具の部分まで全て黒漆塗。
撥鏤飛鳥形(ばちるのひちょうがた)
象牙製の鳥
現物を見る前に壁に掛かっていた写真を見て「なんだか普通」とか思ったんですが、
現物を見てびっくり、全長31mmの大きさに、見事な造形と細かい彩色が・・・。
(写真は10倍ぐらいに拡大されていた)
紫檀塔残欠(したんのとうざんけつ)
五重塔の模型の部品
1000点弱のパーツが展示されてました。
もし全部のパーツがあったら5000点以上になるか・・・実際は内部は骨組みだけ作って、外装パーツを組み付けるらしいのですが、暇があったら作ってみたい・・・ぉぃ。
さす(漢字では「金巣」「子」の二文字ですが、文字化けしそうなので・・・)
いわゆる錠です。
箱や櫃に使う錠なんですが、例年は箱や櫃の付属品として扱われていて、「さす」だけの出陳は初めてではないでしょうか?
でも今回、出陳された4点は、それほどの装飾は無く、実用に近い感じを受けました。
豪華な装飾がなされた品があれば見てみたい気がします。
手鉾(てぼこ)
全体的には薙刀のような形の武器なんですが、刃の部分の反りかたが独特です。
毎年、大型の刃物の前で固まってしまう自分(汗)。
手入れも行き届いているんでしょうが、刃の放つ光に惹きつけられます。
刀子(とうす)
用途としては、現代のカッターナイフみたいなものです。
形状は、日本刀のように把があって、鞘に収められていて・・・でも刃に反りがないから太刀に近いか。
今年は、全長82mmの小さいものから339mmの大きいものまで3点出陳されてました。
当時、実用のものもあれば、アクセサリーとしてのものもあったようです。
本気で欲しいんですよ、刀子。帰る途中で刃物屋さんに寄ったんですけどね・・・。
文書類
ちゃんと読もうとすれば、自分でも不思議なほど判読できるんですが、混雑した展示室で読むには時間がかかり過ぎるので、軽く流してます。
当時は紙が貴重だったのでしょう。裏紙をつなぎ合わせて再利用していて、実は裏面の内容の方が面白かったりします。
以上、散漫な文章になりましたが、美術品として優れたものが多いので、歴史に詳しくなくても是非一度は見に行かれることをお勧めします。
・撮影の話(というかカメラの話)。
日頃、写真は結果(作品)が全てだと思ってるのですが・・・ここでは写真をアップできませんし、今年はそんなに撮らなかったので、カメラの話でも。
普段私は、中判カメラをメインに使っていて、撮影機材も例年だと、
PENTAX 645N、45〜85mm/F4.5、80〜160mm/F4.5、Macro120mm/F4、Velbon Mark7 & Mini-F
という布陣で、機材だけで10kg超えてますね・・・。
これで、八木か橿原神宮か岡寺の駅を起点、終点にして、数日間でトータル30kmほど徒歩移動します。
まぁ日頃の運動不足解消になってるみたいですけど(笑)
今年は、重装備を使い切るほどの撮影にはならないだろうと、思い切って35mm判にレンズ1本
NewFM-2 + 35mm/F1.4
これだけで、奈良公園の中をウロウロしてました。
雨上がりに、曇天の微妙な光線状態で、枚数は少ないけど、雰囲気のある写真が撮れたと思います。
奈良公園の紅葉は、例年よりも少し早めなのかな?良い色になってる木が結構ありました。
そういえば31日は、ハロウィンだったんですよね。
奈良公園でハロウィンの格好をした子供が、外人さんに囲まれて困ってました(笑)
メルフォれすれす
t-fc8さん
三好さんじゃ、だめですか?
↓ツッコミはこちら↓
http://www.formzu.com/formgen.cgi?ID=2765406
今年は、時間が取れなかったのと、痛めた左足が治ってないので、30〜31日の1泊(実質1.5日)で、正倉院展と奈良公園周辺の撮影となりました。
・正倉院展
正倉院には、数多くの宝物だけでなく、儀式具、装束、食器、家具、楽器、文書、武器、薬などが納められていて、それが記録付きで残っているところに、世界的にも他に類を見ない歴史的価値を持つわけです。
そして、あまりにも数が多い(そして展示室が狭い)ので、正倉院展では、そのごく一部が出陳されるかたちになります。
そのため、毎年何かしらテーマを持たせているようで、楽器が多い年もあれば、面が多い年もあったりするのですが、今年は偏り無く出陳されていたように思いました。
と、偉そうに書いてますけど、自分、天平時代は全くの専門外で、純粋に工芸品、美術品として美しいものに目が行きます。
そんな私の視点で、印象に残ったものを・・・
鳥獣花背方鏡(ちょうじゅうかはいのほうきょう)
鏡といえば、円形のものを多く目にするんですが、正方形の鏡は初めて見ました。
楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめらでんそうのびわ)
琵琶は、毎年出陳されるんですが、いつも思うのは、装飾のすばらしさ。
今年のものは、捍撥(かんぱち:ばち受け)部分の絵よりも、槽全体に施された螺鈿がきれいでした。
磁鼓(じこ)
陶製のつづみは、初めて見ました。
三彩の陶製で、大きくはありませんが、ちょっと重そうです。
螺鈿槽箜篌(らでんそうのくご)
小型のハープ。
漆塗りに金泥、螺鈿、象嵌と技巧の限りを尽くしたもののようですが、状態があまり良くありません。
復元模造があるのだから、並べて展示して欲しかったです。
その方が、専門外の人間には解り易かったのではないでしょうか。
革帯
漆塗りの皮製のベルト。
形は、現代のものと変わりはありませんが、面白いのは金具の部分まで全て黒漆塗。
撥鏤飛鳥形(ばちるのひちょうがた)
象牙製の鳥
現物を見る前に壁に掛かっていた写真を見て「なんだか普通」とか思ったんですが、
現物を見てびっくり、全長31mmの大きさに、見事な造形と細かい彩色が・・・。
(写真は10倍ぐらいに拡大されていた)
紫檀塔残欠(したんのとうざんけつ)
五重塔の模型の部品
1000点弱のパーツが展示されてました。
もし全部のパーツがあったら5000点以上になるか・・・実際は内部は骨組みだけ作って、外装パーツを組み付けるらしいのですが、暇があったら作ってみたい・・・ぉぃ。
さす(漢字では「金巣」「子」の二文字ですが、文字化けしそうなので・・・)
いわゆる錠です。
箱や櫃に使う錠なんですが、例年は箱や櫃の付属品として扱われていて、「さす」だけの出陳は初めてではないでしょうか?
でも今回、出陳された4点は、それほどの装飾は無く、実用に近い感じを受けました。
豪華な装飾がなされた品があれば見てみたい気がします。
手鉾(てぼこ)
全体的には薙刀のような形の武器なんですが、刃の部分の反りかたが独特です。
毎年、大型の刃物の前で固まってしまう自分(汗)。
手入れも行き届いているんでしょうが、刃の放つ光に惹きつけられます。
刀子(とうす)
用途としては、現代のカッターナイフみたいなものです。
形状は、日本刀のように把があって、鞘に収められていて・・・でも刃に反りがないから太刀に近いか。
今年は、全長82mmの小さいものから339mmの大きいものまで3点出陳されてました。
当時、実用のものもあれば、アクセサリーとしてのものもあったようです。
本気で欲しいんですよ、刀子。帰る途中で刃物屋さんに寄ったんですけどね・・・。
文書類
ちゃんと読もうとすれば、自分でも不思議なほど判読できるんですが、混雑した展示室で読むには時間がかかり過ぎるので、軽く流してます。
当時は紙が貴重だったのでしょう。裏紙をつなぎ合わせて再利用していて、実は裏面の内容の方が面白かったりします。
以上、散漫な文章になりましたが、美術品として優れたものが多いので、歴史に詳しくなくても是非一度は見に行かれることをお勧めします。
・撮影の話(というかカメラの話)。
日頃、写真は結果(作品)が全てだと思ってるのですが・・・ここでは写真をアップできませんし、今年はそんなに撮らなかったので、カメラの話でも。
普段私は、中判カメラをメインに使っていて、撮影機材も例年だと、
PENTAX 645N、45〜85mm/F4.5、80〜160mm/F4.5、Macro120mm/F4、Velbon Mark7 & Mini-F
という布陣で、機材だけで10kg超えてますね・・・。
これで、八木か橿原神宮か岡寺の駅を起点、終点にして、数日間でトータル30kmほど徒歩移動します。
まぁ日頃の運動不足解消になってるみたいですけど(笑)
今年は、重装備を使い切るほどの撮影にはならないだろうと、思い切って35mm判にレンズ1本
NewFM-2 + 35mm/F1.4
これだけで、奈良公園の中をウロウロしてました。
雨上がりに、曇天の微妙な光線状態で、枚数は少ないけど、雰囲気のある写真が撮れたと思います。
奈良公園の紅葉は、例年よりも少し早めなのかな?良い色になってる木が結構ありました。
そういえば31日は、ハロウィンだったんですよね。
奈良公園でハロウィンの格好をした子供が、外人さんに囲まれて困ってました(笑)
メルフォれすれす
t-fc8さん
三好さんじゃ、だめですか?
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